2016年6月10日金曜日

水無月・川柳連句日記

6月某日
映画「ちはやふる」の「上の句」「下の句」を一気に見る。
原作のコミックはすでに30巻以上出ていて、現在もコミック誌「BE LOVE」に連載中である。百人一首の競技カルタの話で、小学生のときカルタと出会った主人公が高校に入ってカルタ部を作り、大会で勝ち抜いてゆく。このパターンは「俳句甲子園」を描いたコミック「ぼくらの17‐ON」でも同じ。俳句甲子園の映画では「恋は五七五」というのがあった。
「ちはやふる」を見にいったのは、6月の「大阪連句懇話会」で百人一首の話をする準備のためである。短歌では百人一首、俳句では俳句甲子園。川柳や連句でも普及のためのツールを何か考えられないだろうか。映画に出てくる競技カルタの聖地・近江神宮は「関西連句を楽しむ会」で訪れたことがある。

6月某日
「川柳フリマ」が終わったあと、反応・感想をツイッターなどでフォローしている。
いろいろ思うところがある。イベントをやった当事者にしか見えてこない光景があるものだ。
「川柳フリマ」には川柳人・歌人・俳人に参加していただいたが、連句の存在が影ほどもなかったのは今後の課題だと思った。
「川柳フリマ」のコンテンツを拡大して、連句本や連句誌を含めて会場に並べてみたらどうだろう。
全国にはさまざまな連句結社・グループがあるが、その活動が一般に知られることは川柳以上に少ない。

6月某日
昨年、八上桐子と「THANATOS」VOL.1を製作したが、今年はそのVOL.2を準備中。
「川柳 塾」のバックナンバーは調べ終わったが、「新思潮」「ふあうすと」「新京都」「川柳展望」などの資料が八上さんから送られてくる。
生資料を読むといろいろ発見がある。句集に収録されている一句の背後におびただしい同想句があったりする。今年は石部明没後四年目。来年は没後五年。

6月某日
10月9日(日)に大阪天満宮で開催する「浪速の芭蕉祭」、募吟を募集中だが、連句作品(形式自由)がぼつぼつ送られてきている。前句付・川柳の募集もあり、こちらは無料、葉書で応募できる。
当日は大阪天満宮の本殿参拝もあり、昨年は松山の青木亮人さんをゲストに招いて、本殿にも上っていただいた。
その翌日10月10日(月・祝)に関連行事として「短詩型文学の集い」を計画中で、上本町「たかつガーデン」で開催する。
午前中はフリマ、午後は対談とワークショップの時間にしたい。
このところイベントのゲストとして歌人を招くことが多いので、今度は俳人で連句にも理解のある方をゲストに迎えるつもり。内諾をもらっているので、いずれ時期がくれば詳細を案内・宣伝したい。おもしろいものにできればいいが。

6月某日
「第7回兼載忌記念連句会」に出席のため、会津若松へ向かう。
私は一昨年、昨年に続き三回目の出席で、以前この時評にもレポートを書いたことがある。
室町時代の連歌師で連歌七賢のひとり猪苗代兼載にちなむ連句会である。
ホテルが野口英世青春広場にあり、毎年、英世の銅像をながめて時間を過ごす。
会津にはレトロ喫茶と居酒屋が多く、それも楽しみのひとつである。
今年は居酒屋の名店「籠太」に行った。毎年、これぞと思うお店を制覇してゆくつもり。

6月某日
小平潟天満宮の社務所で連句会。六座に分かれて連句を巻く。
すぐ前が猪苗代湖である。
いつも静かな場所なのだが、この日はキャンプをする人でけっこう車が多い。
連句の座では昨年出会った高校生と今年も同じ座になった。
連句の座というのは心理的な葛藤があって、むつかしいところがある。
私も本当のことを言うと座が苦手なのだ。
けれども、一年というのはそれなりの変化をもたらすだけの時間である。
彼女も私も成長したのだ。

6月某日
「第四回文学フリマ大阪」に出店申し込み、出店料を振り込んだが、正式に受付メールが届いた。これで今年も文フリ大阪に出店が確定。9月18日。堺市産業振興センター。
ほかにも川柳の出店があればいいのにね。

6月某日
山田消児さんとの対談のテープ起こしに取り組み中。
聞こうと思っていて聞きのがしたことが幾つもある。
しかし、一番の問題は私自身が冒険しなかったことだ。
自分でよく知っている範囲のテーマ設定と予定調和的な私自身の発言はテープを聞いていると明らかである。
できることをこなしてゆくのは当たり前のことだが、できそうもないことに挑戦するのはどうか。それはそれで危険なことだろうな。

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