2016年7月22日金曜日

蝉羽月雑記

7月3日
玉野市民川柳大会。
第67回というから歴史ある川柳大会である。私は2003年の第54回から毎年参加している。
この大会が岡山県外からも参加者が多いのは、選者が魅力的だからである。現代川柳の清新な動向に触れることができ、印象的な川柳作品がいくつもこの大会で生まれた。
今年の選者は酒井かがり・石田柊馬・草地豊子・きゅういち・榊陽子など、「川柳カード」同人が多い。酒井かがりの披講は見事だった。

前方後円墳の後ろに潜むわたしたち  正博

同じ大会に毎年参加していると、参加者の顔ぶれがしだいに変わってゆくことに気づく。現代川柳も世代交代してゆくのだろう。

7月9日
奈良県連句協会主催の「わかくさ連句会」に出席。
来年開催される国民文化祭・奈良に向けて、奈良県連句協会が昨年発足した。毎月一回、奈良と八木でそれぞれ連句会が開催されている。私が行くのは奈良の方。
今年の10月1日(土)には国民文化祭のプレ大会が奈良県文化会館で開催されることになっている。

7月某日
「川柳カード」12号、最終校正。
今号の特集は「現代川柳と現代短歌」。山田消児・小池正博の対談「短歌の虚構・川柳の虚構」と瀬戸夏子の特別寄稿「ヒエラルキーが存在するなら/としても」の二本。
考えてみれば私自身、現代短歌からいろいろな刺激を受けてきた。「ユリイカ」8月号の特集は「新しい短歌、ここにあります」、7月27日発売らしい。楽しみだ。

7月15日
祇園祭宵々山。
いまは前祭と後祭にわかれているが、前祭の方である。
見物をする前に、京都御苑の拾翠亭にゆく。九条池のほとりに百日紅が咲いている。
御苑の中にアオバズクがいるスポットがあるので行ってみた。いた、いた!カメラを持ったバードウォッチャーがアオバズクのとまっている枝を教えてくれる。二羽いるはずなのだが、一羽だけしか発見できない。それでも嬉しい。
まだ時間があるので、京都マンガミュージアムへ。
壁にはぎっしりと漫画本が並んでいる。来館者はみんな椅子に座ってリラックスしてマンガを読んでいる。私はふだん読む機会のない少女漫画を一時間ほど読んだ。
さて、いよいよ山鉾を見て回る。私のお気に入りの山鉾は菊水鉾である。他の山鉾はいつもいいかげんに見て回るのだが、今年は山と鉾をひとつひとつ見ていった。京都のことはおおかた知っているつもりだったが、まだまだ知らないことがある。

7月16日
「第30回連句フェスタ宗祇水」に参加するため郡上八幡へ。
郡上八幡へは三度目になるので、この町のことがだいたい分かってきた。
名古屋から高山行きの高速バスで郡上八幡インター下車。町の中心部からは少し外れているが、道は知っているので、宗祇水まで歩く。博覧館では郡上踊りの実演を見て踊りの予習。「かわさき」と「春駒」のふたつはほぼマスターできたと思う。
午後四時に、おもだか屋に集合。バスで「古今伝授の里」に向かう。宗祇に古今伝授をした東常縁(とうの・つねより)の館があったあたりにミュージアムができていて、鶴崎裕雄さんの講演を聞く。連歌研究の逸話など、おもしろかった。
夜は八坂神社の天王祭へ。この神社は郡上踊りの発祥の地と言われている。インターネットで紹介されているのを見て楽しみにしていたが、川辺や神社の階段にろうそくの灯りが揺らめいて幽玄な雰囲気だった。
翌朝は宗祇水の前で発句献納。

はじまりは古今伝授の夏野かな   正博

印象的だったのは郡上の人の「私たちはこの町で生まれ育ったので、郡上の良さが自分では分からない。郡上の良さをお気づきになったら教えていただきたい」という言葉。確かにそういうものだろうなと思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿