週刊「川柳時評」
2025年4月4日金曜日
林やはと柴田千晶
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「川柳スパイラル」23号が発行された。 新同人のエッセイ、林やは「あなたと」と猫田千恵子「流されるままに」が掲載されている。林やはについては清水かおりが「同人作品評」でこんなふうに書いている。 「 夢幻さが流れるからだ抱かれたい 林やは 以前、川柳界に俳句の柴田千晶のよう...
2025年1月31日金曜日
山中千瀬歌集『死なない猫を継ぐ』
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山中千瀬の歌集『死なない猫を継ぐ』(典々堂)が発行された。 私は『さよならうどん博士』のころから山中のファンで、「川柳スパイラル」18号のゲスト作品に川柳10句を寄稿してもらったこともあり、今度の歌集を楽しみにしていた。 巻頭に次の歌が置かれている。 宇宙服を脱がないでここは夜...
2025年1月26日日曜日
日日是好日
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1月×日 前回のこの欄で中勘助の「島守」のことを取り上げたが、勘助の初期の随筆に「夢の日記」(明治45年)がある。漱石の「夢十夜」や内田百閒の悪夢のような小説が連想されるが、それらとも少し違う中勘助の世界が感じられる。明恵上人の「夢記」も有名だが、中勘助の「夢の日記」はこんふうに...
2025年1月11日土曜日
これからの連句
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謹賀新年。今年もよろしくお願いします。 年頭の読み初めは『芭蕉文集』で、「野ざらし紀行」「笈の小文」「おくのほそ道」などを再読。芭蕉の転機となったのは、深川への隠棲である。 柴の戸に茶を木の葉掻く嵐かな 芭蕉 詫びて澄め月侘斎が奈良茶歌 芭蕉野分して盥に雨を聞く夜かな 昨年...
2024年12月28日土曜日
2024年回顧(川柳)
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毎年この時期になると一年を振り返る文章を書いているが、川柳界全体を見渡して展望するのは情報収集上の困難があることだし、特に今年は従来に比べて現代川柳が話題に上ることが増えてきたので、管見に入った限られたものについて思いつくままに書きとめておきたい。 現代川柳が対外的に話題になった...
2024年12月13日金曜日
「川柳スパイラル」22号
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「川柳スパイラル」は22号から誌面が刷新された。飯島章友が同人を降り、新たに6名が新同人として加わった。 宿題でドラ・ハッ・パーを埋める刑 まつりぺきん 屯する稚魚よウィリーで走るのだ 宮井いずみ まただよ 踊らない貝の絶滅 林やは 整理券もらった順に孵卵器へ ...
2024年11月29日金曜日
蕉風の付け方
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10月27日に国民文化祭ぎふ「連句の祭典」が岐阜市の「じゅうろくプラザ」で開催された。国文祭には例年、川柳ではなくて連句のイベントの方に参加している。 その前日、大垣の「奥の細道むすびの地記念館」を訪れた。芭蕉は大垣に四度来ている。『奥の細道』の終着が大垣で終っているのはよく知ら...
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