週刊「川柳時評」

2025年8月29日金曜日

瀬戸夏子『をとめよ素晴らしき人生を得よ』

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7月に十勝・帯広方面に旅行した。ジンギスカンや豚丼などのグルメに走ったが、帯広は中城ふみ子の出身地である。帯広市図書館の2階に中城ふみ子資料室があったので、のぞいてみた。こじんまりしたスペースで、パネルや展示を見ると彼女の短歌の世界がよくわかった。中城の短歌には彼女の実人生や物語...
2025年8月15日金曜日

「水脈」終刊号

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「水脈」が70号で終刊した(2025年8月)。現代川柳の同人誌がまたひとつなくなったことになる。 浪越靖政が69号・70号に「『水脈』終刊にあたって-70号を振り返る-」を書いているので、それに従ってまとめてみよう。 浪越も書いているように、「水脈」のルーツは飯尾麻佐子の「魚」で...
2025年8月9日土曜日

「川柳スパイラル」24号 句集の時代

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「川柳スパイラル」24号の特集は「句集の時代」である。 かつて石田柊馬は「読みの時代」の次に「句集の時代」「アンソロジーの時代」が来ると言った。予言的な発言で、近年、現代川柳の句集が続々と発行されている。 石田柊馬作品集『LPの森/道化師からの伝言』ではこんなふうに書かれている。...
2025年5月10日土曜日

三田三郎『よいこのための二日酔い入門』

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酒にまつわるエッセイは数多く書かれていて、吉田健一や開高健、内田百閒、池波正太郎、安藤鶴夫など限りがないが、旅先での美味しいものや銘酒の話など、酒肴とからめた食と酒の話が多かった。今回の三田三郎のエッセイは純粋に酒を飲むことそのものがテーマであり、食べ物の話は出てこない。飲酒とい...
2025年5月6日火曜日

西田雅子句集『そらいろの空』

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『そらいろの空』(ふらんす堂)は西田雅子の第二句集である。第一句集『ペルソナの塔』(あざみエージェント)は写真とコラボしたミニ句集で、句数も少なかったのに対して、今度の句集は西田の句業を堪能できる本格的なものになっている。 『そらいろの空』というタイトルがこの句集の世界を端的に表...
2025年4月11日金曜日

雨月茄子春句集『おともだちパンチ』

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3月15日に高槻市で開催された「第四回らくだ忌」に雨月茄子春が来ていて、句集『おともだちパンチ』を入手した。表紙絵では女の子二人が台所に立っていて、ひとりはこちらを見ている。イラストは、かわいみな。湊圭伍の解説が付いている。 以前、中崎町のラーメン屋で会ったときに句集を出すという...
2025年4月4日金曜日

林やはと柴田千晶

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「川柳スパイラル」23号が発行された。 新同人のエッセイ、林やは「あなたと」と猫田千恵子「流されるままに」が掲載されている。林やはについては清水かおりが「同人作品評」でこんなふうに書いている。 「  夢幻さが流れるからだ抱かれたい  林やは  以前、川柳界に俳句の柴田千晶のよう...
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自己紹介

如月和泉
本名・小池正博。川柳人・連句人。句集にセレクション柳人『小池正博集』『水牛の余波』(邑書林)評論集に『蕩尽の文芸―川柳と連句』(まろうど社)がある。
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