週刊「川柳時評」

2025年12月27日土曜日

2025年回顧(川柳篇)

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2010年にこの時評をはじめたときは、時評の対象となるような川柳作品、川柳句集、イベントなどが少なくて苦労したが、近年は川柳の句集が多く出るようになって、逆にそのスピードに追いつかない。管見に入ったものだけになるが、今年の主な出来事を振り返っておきたい。 今年、川柳のフィールドで...
2025年12月19日金曜日

2025年回顧(連句篇)

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ある連句人の一年を日記ふうに紹介する。 2025年1月5日(日) 第17回わかやま連句会。和歌山城ホールにて開催。出席者8人。 「国民文化祭わかやま」のあと2022年に発足した連句会で、奇数月の第一日曜に和歌山市で開催されている。毎回、和歌山ゆかりの文学者・文化人についての話が...
2025年9月19日金曜日

文学フリマ大阪13

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9月14日(日)に文学フリマ大阪が南港のインテックス大阪で開催された。主催者発表によると、6877人 (出店者:1868人・一般来場者:5009人) の来場があったという。会場近くの夢洲では関西万博が開催中であり、地下鉄中央線は混雑しているので、私はニュートラムを利用して会場に向...
2025年8月29日金曜日

瀬戸夏子『をとめよ素晴らしき人生を得よ』

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7月に十勝・帯広方面に旅行した。ジンギスカンや豚丼などのグルメに走ったが、帯広は中城ふみ子の出身地である。帯広市図書館の2階に中城ふみ子資料室があったので、のぞいてみた。こじんまりしたスペースで、パネルや展示を見ると彼女の短歌の世界がよくわかった。中城の短歌には彼女の実人生や物語...
2025年8月15日金曜日

「水脈」終刊号

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「水脈」が70号で終刊した(2025年8月)。現代川柳の同人誌がまたひとつなくなったことになる。 浪越靖政が69号・70号に「『水脈』終刊にあたって-70号を振り返る-」を書いているので、それに従ってまとめてみよう。 浪越も書いているように、「水脈」のルーツは飯尾麻佐子の「魚」で...
2025年8月9日土曜日

「川柳スパイラル」24号 句集の時代

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「川柳スパイラル」24号の特集は「句集の時代」である。 かつて石田柊馬は「読みの時代」の次に「句集の時代」「アンソロジーの時代」が来ると言った。予言的な発言で、近年、現代川柳の句集が続々と発行されている。 石田柊馬作品集『LPの森/道化師からの伝言』ではこんなふうに書かれている。...
2025年5月10日土曜日

三田三郎『よいこのための二日酔い入門』

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酒にまつわるエッセイは数多く書かれていて、吉田健一や開高健、内田百閒、池波正太郎、安藤鶴夫など限りがないが、旅先での美味しいものや銘酒の話など、酒肴とからめた食と酒の話が多かった。今回の三田三郎のエッセイは純粋に酒を飲むことそのものがテーマであり、食べ物の話は出てこない。飲酒とい...
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自己紹介

如月和泉
本名・小池正博。川柳人・連句人。句集にセレクション柳人『小池正博集』『水牛の余波』(邑書林)評論集に『蕩尽の文芸―川柳と連句』(まろうど社)がある。
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