週刊「川柳時評」
2022年6月17日金曜日
初谷むい『わたしの嫌いな桃源郷』のことなど
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初谷むいの第二歌集『わたしの嫌いな桃源郷』(書肆侃侃房)が5月に刊行された。初谷のことを最初に意識したのはツイッター名の「む犬」が記憶に残ったからだったか、それとも短歌の友人から若手歌人では初谷むいが面白いと聞いたからだっただろうか。2017年の「瀬戸夏子は川柳を荒らすな」にも彼...
2022年6月3日金曜日
江田浩司歌集『メランコリック・エンブリオ』
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江田浩司の第一歌集『メランコリック・エンブリオ』が現代短歌社から文庫版で発行された。本書は1996年、北冬社より刊行されたもので、そのときの栞(岡井隆・谷岡亜紀・藤原龍一郎)も収録され、文庫版解説(神山睦美)、江田浩司自筆略年譜、文庫版あとがきが付いている。歌集名のメランコリック...
2022年5月13日金曜日
紀野恵歌集『遣唐使のものがたり』
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紀野恵の歌集『遣唐使のものがたり』(砂子屋書房)が上梓された。天平時代の遣唐使のことを素材にして一巻を編んでいる。歴史と文学が好きな者にとっては興味深い試みだ。 発端の最初の歌。 なつかしき曾祖母触りし文箱より崩れさうなる紙の束出づ 祖先から伝わる物語の記憶という導入だろう。...
2022年5月7日土曜日
発信と着信
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「短歌ヴァーサス」10号(2006年12月)のコラム・ヴァーサスで私は次のように書いた。「川柳はこれまで短詩型文学の中でも微弱な電波しか発信してこなかった。よほど感度の高いアンテナを出していなければ、川柳作品をカバーすることは困難であった。ところが、近年、川柳作品のテクストが句集...
2022年4月30日土曜日
川柳誌あれこれ
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暮田真名句集『ふりょの星』(左右社)、4月28日発売になり、大阪では梅田蔦屋書店でサイン本が平積みされている。フェア「はじめての詩歌」もはじまっていて、川柳人からは暮田のほか、なかはられいこも参加している。『ふりょの星』については反響を見てから、改めて触れる機会があると思う。 今...
2022年4月22日金曜日
「幻想の短歌」―「文學界」5月号
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今月の短詩型界隈で最も話題になったのは、たぶん「文學界」5月号の特集「幻想の短歌」だろう。巻頭表現、我妻俊樹の「小鳥が読む文章」10首が掲載されている。 セロファンの春画の朝凪にのまれていなくなろうとしてたのかしら 我妻俊樹 堂園昌彦による幻想短歌アンソロジー80首、10人に...
2022年4月15日金曜日
小津夜景・須藤岳史『なしのたわむれ』―付合文芸としての往復書簡
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紀野恵が編集している短歌誌「七曜」に紀野は「楽天生活」というタイトルで漢詩と短歌のコラボレーションを連載している。たとえば203号(2022年3月)では白居易の漢詩「早朝思退去」に次のような訳が付けられている。詩・白居易/歌・紀野恵&ハク(白猫)。 霜嚴月苦欲明天 しもはきび...
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