大阪ではじめて文学フリマが開催されたのは2013年4月のことである。堺市産業振興センターが会場で、自宅から比較的近い場所だったのでどのようなイベントなのか見にいった。たくさんの出店者が駅から会場に向かってキャリーバッグを引いてゆく姿が見られ、自作の同人誌を発信・販売する若い人たちの存在が私にとってはカルチャー・ショックだった。
もうひとつ、刺激を受けたのは2014年7月に難波の「まちライブラリー」で開催された「大阪短歌チョップ」である。トークイベントや朗読イベント、歌会や競技かるたの体験などがタイムテーブルに従って会場のあちこちで開催される。特に興味深かったのは「ネットの短歌はどこへゆく?」というトークセッションで、出演者は田中ましろ、嶋田さくらこ、牛隆佑、虫武一俊などだった。このイベントは2017年2月に第二回が開催されている。
私も真似事をしてみたくなって、2015年5月に「現代川柳ヒストリア+川柳フリマ」を大阪・上本町で開催した。展示解説「雑誌で見る現代川柳史」、対談「川柳をどう配信するか」(ゲスト・天野慶)などで、8ブースの出店があり、来場者74名、懇親会にも34名の参加があった。川柳には人が集まらないと思っていたが、まずまずの成功であった。
文学フリマには2015年9月の第三回文フリ大阪から出店。このときは「川柳カード」の名でブースを開いた。
2016年には5月に「第二回現代川柳ヒストリア+川柳フリマ」を開催。「句集でたどる現代川柳の歩み」(石田柊馬)、対談「短歌の虚構・川柳の虚構」(ゲスト・山田消児)。来場者71名、懇親会22名。以後このイベントは開催していない。9月に第四回文フリ大阪。11月に文フリ東京(このときは出店せず、入場のみ)。
2017年5月「川柳トーク・瀬戸夏子は川柳を荒らすな」を中野サンプラザで開催。翌日が文フリ東京。文フリの前日に東京で川柳句会やイベントを開催するパターンが多くなる。9月第五回文フリ大阪(このときの店名は「川柳サイド」)。堺市での開催はこの年で終わり、翌年から大阪市内のOMMビルに会場が変更される。
2018年には1月の文フリ京都、5月の文フリ東京、9月の文フリ大阪と三都で出店。1月の文フリ京都はみやこメッセで開催され、店名は「川柳スパイラル」。文フリの前日に京都で「川柳スパイラル創刊号合評句会」を開催した。ゲスト・清水かおり。5月の文フリ東京の前日には川柳スパイラル東京句会を実施。ゲスト、我妻俊樹・瀬戸夏子。
2019年は5月の文フリ東京、9月の文フリ大阪に出店。
2020年に入り、コロナ禍のため文フリが中止や制限開催となる。5月の文フリ東京には出店を申し込んでいたが開催中止になり、以後しばらく文フリには出店を控えることになった。2022年9月の文フリ大阪から「川柳スパイラル」の出店を再開。11月の文フリ東京にも参加した。2023年に入り1月の文フリ京都に出店。5月の文フリ東京にも出店する。
詩歌(短詩型)関係では短歌の文フリ参加が多く、俳句は少なく、川柳は皆無である。私のブースでは「川柳から唯一の出店」という自虐的メッセージを掲げていたが特にアピールできたということもなかった。川柳本の販売は文フリでは効率が悪く、川柳大会に持参して販売するのが一番良いという川柳出版社もある。最近になって、少数ではあるものの川柳関係のブースや委託販売で川柳のプリントを置くところも見られるようになってきたのは心強い。また、川柳だけではなく、連句の本も若干のニーズがあるようなので、「川柳スパイラル」のブースには「川柳と連句のお店」の表示をするようにしている。本を売るだけではなくて、来場者とお話する機会があるのも嬉しいことである。
今回は、文フリ前日の5月20日に「川柳スパイラル」東京句会(北とぴあ)、5月21日に文フリ東京に出店となるので、お時間ある方はお立ちよりいただきたい。
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